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stella

「辻ちゃんが好きだよ」
「え?」
言わないようにしていた言葉が、口から滑り落ちた。しまった。と思った時にはもう遅い。言葉にしたら、もう無かったことには出来ない。だから言わずに心の奥に置いておいたのに。言わずにはいられなかった。辻ちゃんには言わなくてもいいことを、つい言ってしまう。いつも思ったことを返してくれるから。
そこが好きだったし、本音を言えるのが楽だったんだよね。……今ならまだ「隊員として」で通るかな。そらした視線を元に戻した。あれ、これってもしかして脈あり、でいいのかな?ごめんね辻ちゃん。
おれはずるいから――
「返事、ちょうだい」
無かったことにするはずだった言葉を、辻ちゃんの反応しだいで残すよ。

今まで無かったことにした言葉も、辻ちゃんは覚えててくれてるといいな……と思いました。犬飼先輩が無かったことにしたとしても、俺は覚えていたかったから。みたいなやつ……。
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